中の中へ

<ここには面白いものが沢山あるぜ> ガツガツ

 

<ニャアニャアも、ここまでは来れまいて> ガツガツガツ

 

<今宵も自由を謳歌するのだ!> ガツガツガツガツガツ

 

<見よ、この強靭な歯を!全てを噛み砕いてみたいのだぁ!>

 

 

ドーーーーン!!

 

<うぉ、何事だ!>

 

ドーーン! ドーーン!

 

<下から不気味な音が響いてきやがる>

 

ドーーン! ドーーン! ドーーン!

 

<逃げろ、逃げろ。なんかやべぇぞ!>

 

<嫌だね。こんな素敵な楽園を捨てられるかって>

 

 

自然の声 「毎日うるせぇネズミだなぁ。おかげで電気が付かなくなったし、

      もう我慢ならん!」

 

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今日は、仕事帰りにドラックストアーでネズミ退治グッズを見てきた。

殺鼠剤か忌避剤かで迷っている。

 

それとネズミからすれば、人間も、人間が作った様々なモノも、

全て自然の一部だ。殺鼠剤や忌避剤は理不尽な天災でしかないなと思った。

 

しかし縄張り争いも生命の本能だ。

やるしかないのだ。

 

ところが、1つ大きな問題がある。

彼らが喜びを謳歌する大地は、2階の床である1階の天井と

アトリエである地下室の壁、それらの中。

 

外側の世界と内側の世界を隔てている、

その壁の中へと立ち入ることは、容易ではないのだ。

 

薄いのに。