拝啓 パウル・クレー様

両面作品という作品のあり方、二重性、

あちらとこちらの間のようなもの。

 

老子の「道」の思想を感じさせるあなたの作品は、

東洋人である私には、とても心に染み易いものです。

その上、モチーフやタイトルなんかにも、

さりげなくユーモアがあり最高です。

 

まぁ、ひと言で言ってしまえば、私はあなたのファンです。

 

 

多分あなたはご存じないとは思いますが、

「パウル・クレーの日記1898-1918」という本が出版されております。

 

随分前に購入させて頂きましたが、

他人の日記を読むということは、

秘められた内面を覗き込むことです。

 

そのゾクゾクを一気に味わってしまうのは、

なんだかもったいないような気がするので、少しずつ読み進めています。

 

自らのテンションを上げたい時、就寝前にこっそりと1ページめくるといった具合です。

 

昨晩、久しぶりにあなたの日記を開きました。

そのページにあった文章は、作品集に載っており、すでに知っていたのですが、

いや~~っ、その気持ち本当分かるわぁと思いました。

以下の文章です。

 

芸術家は、何て色々な役をこなさなければならないのだろう。

詩人、自然科学者、哲学者。

私は、今度は事務員にまでなった。

子供の頃からの芸術作品すべてを詳細な大目録に書き留めたのだ。

ただ、学校での作品や裸体画などは入れなかった。

創造的な自主性が欠けているから。

 

 

人間の世界は、 走り続けなければ、止まっていられないから何とも不思議です。

動物の世界にそうゆう感じは見受けられませんが。

 

ちなみに私は現在こうして、小説家と営業マンの役をこなしております(笑)

 

いつの時代も大変ですね。

 

でもまぁ、それら全ては好きなことから派生したわけだから、

始めるまでは見えてなかっただけで、

そういうこともやっぱり好きなんでしょうね。