写真を撮られるのが苦手

パスポート用の写真を撮りに写真屋に行った。

カメラマンは女性で背の高い人だった。

僕より高い感じだったので180cmはあったかな。


僕は例によって自分の目のデカさを気にしていた。

7割ぐらいの目の見開きで行こうと思った。


カメラマンの女性がカメラをのぞきこんだ。

そしてその瞬間、両足をバッと左右に開いた。

低い椅子に座っている僕を立ってる人が撮るのだから、安定の為にもそうするのは分かるのだが、勢いの良い開きっぷりが面白くなってしまった。

スカートに黒いタイツでサンダルを履いてガバッと開かれた足が気になって仕方なかった。


そして「顔傾けて」「アゴ引いて」「そのまま目をしっかり開いて!」の「目をしっかり開いて」で完全に笑いのツボに入ってしまった。


笑いを堪える為に腹に力を入れたら、本当にしっかり目を開いてしまった。

シャッターを切った直後に「見開き過ぎです」と一言。

そして2枚目。

ガバッと足が開いた瞬間にまた目が開いてしまった。

でも「顔傾けて」「アゴ引いて」の時に目の見開きを7割ぐらいに戻した。

すると「そのままの姿勢で」と言いながらカメラマンが足を開いたまま「すり足」でカメラごと少し近付いてきた。

また面白くなってしまって目が開いてしまった。


そして3枚目。

無になろう、空になろうと頑張った。

でも足が開くと目が開く。


僕の前に撮ってもらっていた女の子はすぐ終わったのに・・。

地獄だった。


最後にもう一枚撮ってもらう事に。

目の見開きは5割の感覚にした。

笑いと見開きを必死に堪えた。


画像チェックの時にもう一枚撮るか聞かれたが最後が一番マシだったし、もう笑いに堪えることが出来ないと思ったので諦めた。


笑いに耐えてる写真のパスポートを10年使おうと思った。

それとデジカメって便利だなと思った。